PROJECT STORY 02新規化粧品原料商材の発掘

「アンチエイジング」に向けた新たな原料を求めて

01さらなる飛躍へのカギを握る
化粧品原料ビジネス

貿易商社として多種多様な高機能原材料、加工品、新素材、機器などを扱う島貿易が今、最も注力している一つが、化粧品原料ビジネスだ。化粧品は衣・食・住といった生活必需品ではないものの、美しくなったり、肌の悩みを解消することで、自信や活力を与え、心を豊かにすることができる。人々に貢献し、ビジネスの観点からも安定してニーズのある市場は魅力的だからだ。
実は、島貿易にとって化粧品原料は古くて新しい商材だ。肌の保湿材として広く知られているワセリンをアメリカから初めて日本に輸入し、広めた実績をもつ。輸入当初は医薬用途だったが、化粧品用途としての有効性を広く提案し、今ではワセリンを配合した化粧品はそこかしこにあふれている。これをきっかけに島貿易にとって化粧品原料は取り扱い商材の一つとなった。
「取り扱う」と言っても、単に化粧品原料を輸入販売するだけではない。独自に処方を開発し、最終製品に近いものを試作して化粧品メーカーに提案営業を仕掛けている。「こういう機能をもった原料がほしい」というお客様のニーズに応えることも重要だが、特色のある原料を発掘し、これまでにない新たな商品ジャンルや市場をつくり、お客様、ひいては消費者に貢献することが島貿易の信条であり、ビジネスの醍醐味だからだ。
近年、島貿易にとって、化粧品原料の売上高比率は年々高まっており、さらなる飛躍に向けたキービジネスとして存在感を増している。それに一役買っているのが、化粧品市場のトレンドの一つ「アンチエイジング」への参入だ。

02探し求めた原材料は、
フランスにあった

2009年以降、シワの改善に即効性があることから次々と化粧品に採用されている美容成分がある。その名は「フィフロー」。肌にうるおいを与え、内側からふっくらさせることができる機能をもつ。これを発掘し、日本市場に広めたのが島貿易だ。
発掘に乗り出した動機は、多くのメーカーからシミ、シワ、タルミなどを改善する商品が発売されているが、すぐに効果を実感できる化粧品は少ないという現状だった。ここにビジネスチャンスを見出した島貿易は、フランス、ドイツ、スペイン、アメリカ・・・と、新たな化粧品原料を求めて各国の展示会に足を運んだ。残念ながら展示会において該当原料の発見には至らなかったが、そこで面識のできたフランスのとあるメーカーと別のテーマでコンタクトを取り合ううちに、そこがシワの改善に即効性があるユニークな原材料をもっていることが判明。それが「フィフロー」だった。アンチエイジングの中でも、多くのお客様が「抗シワ」をテーマに掲げているため、「フィフロー」はきっと喜ばれるという確信があった。
さっそく、日本の化粧品メーカーに売り込むための処方サンプルの準備にとりかかかった。

03「コスメティックス・ラボ」を
フル活用した提案

初めての原材料ということもあり、当初、日本の化粧品メーカーに売り込むための処方サンプルは、フランスの原材料メーカーが作成したものを用いるつもりでいた。しかし、日本で商品化を進めるには決定打に欠けるものもあった。日本では、「敏感肌」の人も安心して使えることが重要視されてきているためだ。海外の原材料メーカーは、世界各地域で汎用性のある処方を考えがちなので仕方ないのかもしれないが・・・。
幸い島貿易は、化粧品原料ビジネスの拡大を狙って、化粧品の処方開発や最終製品に近いサンプルをつくることができる「コスメティックス・ラボ」を2013年12月に開設済み。そのラボで「フィフロー」を敏感肌用の原材料と組み合わせたサンプルをつくり、化粧品メーカーに、実際に触って試してもらいながら提案を進めていった。その一方、新規の引き合いを増やすため、日本の化粧品原料展示会にも出展。三層ローション、発泡美容液、クリームなど、さまざまな剤型に用いることができ、またすぐに効果を感じることができる利点から、「フィフロー」は大いに注目を集めた。
商談が前進する中、「コスメティックス・ラボ」の存在感はどんどん増していった。化粧品の保存温度が品質に与える影響、配合したい他の機能素材との相性、より高濃度配合するための処方、継続使用による効果測定など、色々な角度から質問や要求が飛んできたからだ。根拠あるデータを示せるのも、「コスメティックス・ラボ」があってこそだった。
このほか、原材料への安心感・期待感の形成や、海外の原料サプライヤーを身近に感じていただくため、フランスのメーカーを日本に招き、化粧品メーカーを訪問する機会も設けた。開発背景や採用事例のほか、お客様も気になるフランスコスメの最先端トレンドまでを話していただけたことは大きな後押しに。こうした経緯をへて、「フィフロー」は化粧品メーカー各社に採用され、これまでにない化粧品が誕生した。
「効果を実感でき、明るい気持ちになった」。発売されるや、化粧品メーカーを通じて、シワに悩む女性たちから喜びの声が届いていることが報告された。これまでにない新たな商品ジャンルや市場をつくり、お客様、ひいては消費者に貢献する――このプロジェクトは、それを実現した一例だ。
今、島貿易では、日本発の原料を海外に輸出展開するための取り組みを進めている。まだ種をまき、スキームづくりをしている段階だが、日本の優れた原料が化粧品先進国であるフランスやアメリカをはじめ、世界中に広がっていく日もそう遠くはない。

KEY PERSON

営業第一本部
東京営業第一部
担当主任
菱沼 準

新規化粧品原料の発掘・拡販の最前線で感じていることですが、私は化粧品原材料ビジネスの拡大において大切なのは、美しさ・健やかさという時代を越えた普遍的な欲求を満たしながらも、トレンドにマッチした製品開発に役立つ素材を発掘し、提案し続けることだと思います。「旬」を捉え、「確実にやってくる未来」を踏まえ、「科学の進歩」を取り入れ、「多様な価値」にピントを合わせながら、商品を使う方々も、販売店さんも、化粧品メーカーさんも、サプライヤーさんも、そして島貿易も、誰もがハッピーになれるような仕事を創造し、それが利益となって還元されるのが理想ですね。ここで紹介した「フィフロー」はその一例です。