PROJECT STORY 01エポキシ樹脂の新展開

研究開発機能をもつハイブリッド商社として

01多彩なラインナップと
技術提案で存在感を発揮

最も用途の広いプラスチックの一種と言われるエポキシ樹脂。それは、島貿易が1953年にいち早く日本に輸入した素材で、現在もメイン商材の一つであり続けている。どれだけ用途が多岐にわたっているかと言うと、塗料、接着剤、コーティング剤、半導体関連材料などとして、食品、スポーツ用品、土木建築、エレクトロニクス、船舶、航空・宇宙など、あらゆる分野に及んでおり、数えればきりがないほど。
マルチなエポキシ樹脂だが、単独で使われることはなく、常に硬化剤といわれる材料を混ぜ合わせて必要な機能を発現させている。そして、この部分こそが島貿易の強みを発揮できるところ。硬化剤にはさまざまな種類があり、その選び方一つで、硬化挙動(固まる速さなど)や硬化物(固まった後の材料)の性能が大きく左右される。島貿易は、エポキシ樹脂も硬化剤も豊富に取り揃えており、かつ技術提案によってお客様のニーズにマッチした組み合わせを実現できる商社として、他社とは一線を画しているのだ。
そんな島貿易が、2012年から注力しているのが、電子回路や電子部品の絶縁材用途としての「銅張積層板」だ。

02エレクトロニクス産業の主戦場・
アジアに「銅張積層板」で攻める

「銅張積層板」とは、ガラス繊維から作ったクロスに、エポキシ樹脂を浸み込ませ、その両面に銅箔を貼り付けた絶縁板。機器の高機能化に伴って微細化が進む電子回路において、電気を通す・通さないといった緻密な制御に欠かせないものとなっている。しかも近年は、自動車の衝突防止・自動運転化のため、自動車用途に向けて、電子部材の一層の高性能化が求められ、銅張積層板の進化も求められている。銅張積層板の性能はエポキシ樹脂と硬化剤で決まる、そして、エレクトロニクス産業の主戦場はアジア諸国に移っている――となれば、攻めに出ないという選択肢はない。
島貿易のお客様となる銅張積層板メーカーは中国や台湾、韓国に数多く、これまでの「製造請負型」から「開発型」メーカーへと変化してきている。こうした変化を背景に、よりよい材料へのニーズが高まっているのだが、より熱に強い、電気を通しにくいなど、特性の高いエポキシ材料はアジア諸国を見渡すとまだまだ少なく、日本の材料が圧倒的な優位性をもっている。そして、特性の高い材料は使いこなすことが難しい。さらに、近年は、電子機器メーカーの新製品発売サイクルが短くなっており、それに合わせて銅張積層板の開発にもスピードが求められている。材料検討のための研究開発に時間と費用をかけたはいいが、もう世代遅れというのでは話にならない。エポキシ材料の中でも高機能材料に精通している島貿易は、銅張積層板メーカーの“研究開発の一部を担うことができる”という強みを携えて、アジアでのアドバンテージを得ようとしている。

03つくりたい銅張積層板の
実現を支える、機能と発想

島貿易にとって、商社でありながら研究開発機能をもつことは必然の選択だ。第一の理由は、エポキシ樹脂メーカーとの競争に勝つため。現地の銅張積層板メーカーが技術力をつけてきているとはいえ、高機能なエポキシ材料を使いこなせるには至っていない状況では、さまざまな技術データをそろえ、最適な使い方と合わせて提案しないと採用にこぎつけない。第二の理由は、島貿易が「材料ありき」ではなく、「目的ありき」でビジネスを展開しているため、お客様にとって意外な材料を提案することも少なくないからだ。
島貿易の営業はいつも「どんな特性の銅張積層板をつくりたいか」を開発担当者に聞くことから始まる。「耐熱性が高いもの」「電気特性のよいもの」・・・開発担当者によってニーズはまちまちだ。また、銅張積層板メーカーは、電子機器メーカーが開発しようとしている製品の要件を満たすべく、“電気用語”で会話をしている。島貿易にとって、お客様のお客様が求める電気的な要求事項を理解した上で、それを実現できる材料はどうあるべきかを考えることは必須だ。極端な例では、過去に、シワを見えにくくする機能をもつ化粧品原料を添加剤として使えば誘電特性が上がると考え、提案したこともある。このような場合、銅張積層板への用途など考えてもみなかった材料メーカーは、当然、銅張積層板用の技術データを取ることはできない。そこを島貿易が担うのだ。
自由な発想に基づく材料提案と技術サポート。それらによって実現した銅張積層板が搭載された電子機器の数々が誕生するのはもうすぐだ。エポキシ樹脂をはじめとする材料供給を通じて日本のエレクトロニクス産業を黎明期から支えてきた島貿易は今、ハイブリッド商社として、アジアにシフトしたエレクトロニクス産業を支えている。これから先も世の中に出てくる、より便利な製品には、島貿易が大きく関わっていることだろう。

KEY PERSON

営業第二本部
営業第三部
チームリーダー
穴見 真隆

「メーカーで働くよりも、島貿易で営業を担当する方が断然面白い」これは、理系の学生さんに会ったら必ず伝えていることです。私は長年にわたりエポキシ樹脂に携わってきました。今はチームリーダーとして、主に市場調査や商品企画、技術サポート用の資料作成などを担っていますが、ビジネスチャンスがあれば、どこにでも飛んでいきます。私たちには自社製品という縛りはありませんから、自由に発想し、ベストな選択ができます。ベテランとなった今でもワクワクしますよ。営業では技術屋さんと話をすることがほとんどですので、その会社のことから製品・技術のことまで、しっかりと頭に入れて商談に臨むことが大切です。ものすごく勉強することも要求されますが、得られる知識、経験の数、仕事のやりがいはとてつもなく大きいですね。